ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

日常

君は私を盗人となじるだろうか

年末年始を故郷で過ごし、四日ぶりに自宅に戻ると冷凍庫が壊れていた。 冷凍室の床や天井、壁についた霜を取ってやって様子をみたが、どうも駄目らしかった。購入して七、八年になるようだから、そろそろ寿命なのかもしれない。 年末に家に泊まった友人が厚…

気が付けば全力で朝

「物語」は美しく整然としていなければならない。 その一方で、望むと望まざるとに関わらず、その創出の場、あるいは起源たる「現実」は一般に至極混沌としている。 七番目の曲が終わるとき、私は目的の建物の前にいた。 七番目の曲が終わるとき - ライ麦畑…

七番目の曲が終わるとき

痛いほどの寒さに身が縮む。シルバーホワイトの空には雪がちらついていた。縮んだ体は何か悪いことをして、咎められるのを恐れているようで、外界から自分を切り離そうと、右手の親指は自ずと二つ並んだ丸いボタンの一つを素早く二度押していた。イヤフォン…

幸福な言の葉

現状に満足しているひとは発言の必要がない、というようなことをどこかで見かけた。平穏な幸福。全くその通りかもしれない。 私がうだうだと此処に駄文を書き連ねるのもひとつの表現であり、それはおおよそ不幸や不満、それに伴う哀愁などによって駆動される…

扇動の聖女

よく働いた5日間、その中のある12分間のお話である。 年に2度開催される我々コミュニティの大きな会合が、今年の秋は12年ぶりに私の住む都市で行われた。 そして我々は、この会合を運営する立場となった。 私なんかは下っ端なので、荷物を運んで会場設…

日曜は中華の香り

季節の変わり目、寒暖差激しい今日この頃。 友人が風邪をひいたらしい。 風邪には豚や鶏よりも牛肉が良いらしいよと教えたら、牛丼大盛り豚汁セットを食っていた。 それだけ食えればたぶん大丈夫。それに、おまけで豚まで摂取している。 最近は馬鹿になって…

小人の国

* 京都旅行記(旅行記って言っちゃった)は一時中断 何事もあまり長続きしない私であるが,運動不足解消のため週1回5 km 程度のランニングを始めてしばらく経つ。 この習慣を利用して,お盆休みの帰省中に近所を少し巡ってみることにした。 当時部活や授業…

過去の共有

1か月以上前になるが,とある試験を受けた。 その科目中には一般教養も含まれていた。相当前に受けたセンター試験のような内容に加えて,高校では選択していなかった政治経済やら日本史やら生物やらも勉強した。 そのオベンキョウ中にふと考えたことについ…

悪夢を君とひとりで

最近,寝つきは悪いし睡眠の途中で何度も目覚めるし悪夢を見るしで,睡眠に希望がもてない。 せめて夢の世界くらい──と思うものだが,ここは発想の転換だ。特殊なストーリーの夢は記録に残しておこう。何かの役に立つかもしれない(何のだろう)。 まずは,…

お手本はずっと昔に置いてきた

久々の投稿である。 良い報告は全く無いが,迫られていた用事はひと段落,書きたいことが初雪程度に積もっている状況だ。 今回は,以前の記事(習字セットの筆は今 - ライ麦畑で叫ばせて)に深く関連している。 先の記事を要約すると, ”あるアーティストの…

僕は肉,君は魚

好きな食べ物ランキングトップ5が「ニワトリの肉」,「桃」,「ウシの肉」,「ブタの肉」,「揚げ出し豆腐」(2017年5月現在)である超攻撃的やわらか肉食系男子の私だが,先日,食堂で偶然「サバの塩焼き」を食べて,「魚ってうまいんじゃねえか」と…

彼は地球防衛隊

ある蒸し暑い夜のことだった。私は暑さに悶えながらも眠りに就こうと奮闘していた。吹いているのかもわからない微風を求めて,家じゅうの窓という窓を全開にしていたが,涼しい風が私を撫でる心地よい瞬間は一向に訪れない。それでも私の眠気が優勢とみえ,…

美しさは崩れる運命にある

2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎氏は,授賞理由でもある「自発的対称性の破れ」というものを,「倒れる鉛筆」をみてひらめいたという。 私のゴミ屑ほどの知識で「自発的対称性の破れ」を説明すると,以下のようになる。 これまで多くの物…

ここにある

最近,お勉強が楽しい。 必要に迫られて,今まで真面目に学んでこなかった生物やら経済やら歴史やら,諸々の科目と向き合う日々なのだが,これが思いのほか楽しい。これまでずっと1つのことに凝り固まって視野が狭くなっていたのだろう。人間の飽くなき知的…

大人への道を歩いているか

先月のうちに書きたいと思っていた諸々のことが,新年度の開始とともに何処かにぶっ飛んでしまった。人は忘れるものだ。 私もいよいよ延ばしに延ばした人生の決断を迫られつつあり,稚拙な文章をこねくり回す時間は減る一方である。それでも折角始めたことで…

病は病

かねてよりスーパー健康体と自負してきた私の身体も,加齢と不摂生から何かの危険に脅かされつつあるのかもしれない,と,最近不安に思うことが増えてきた。 この前,私の参加しているあるプログラムの同期達と飲む機会があった。 その中の一人が乾杯に際し…

習字セットの筆は今

彼らはトーク中に「僕らの目標は結成序盤で達成されてしまって,そこから今までは惰性でやってます」的なことを語ってくれた。 惰性で国民的アーティストになれるのだから,その才能には嫉妬せざるを得ない。 先日,ある有名バンドグループのライブに行って…

汚れを吸ったスポンジは泡が立たない

先日,約一年振りにとある小学校にお邪魔した。 1-2年生,3-4年生,5-6年生と順番に一緒に遊んでもらったのだが,1-2年生はまあ腕白。3-4年生はそれに拍車がかかる。 ところが,5-6年生ともなるともう結構大人っぽかったりする。 私より背が大き…