作品感想集
142. 鷲田清一『顔の現象学:見られることの権利』(講談社学術文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 友人おすすめのエッセイを読もうと図書館に立ち寄ったところ、目当ての本がなく、代わりに手に取った同著者の一冊。こちらはエッセイではなく学術書、しかも馴染み…
140. 小川哲『君が手にするはずだった黄金について』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 本屋でふと手に取った一冊。7編からなる連なった物語。偏屈で、神経質で、就職することに将来を見出せず、結局小説家となった小林(著者と同名)という主人公の、面倒な…
138. 佐野雅昭『日本人が知らない漁業の大問題』(新潮新書) 再読したい度:☆☆☆★★ こちらも図書館シリーズ。漁業が直面する問題が論じられた一冊。この本においても、敵は「資本主義」だった(最近読んだ3冊全てが敵対していて、興味深い)。 まずは、資本…
137. 森下典子『日日是好日─「お茶」が教えてくれた15のしあわせ─』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 前回(主観的な独白はいかが)触れたエッセイ。言いたいことが沢山あるのだが、まずは前回の疑問「主観的な形式の中に客観的な面白さが見出せるのか」に…
136. 秋元雄史『芸術の価値とは何か AIが奪い尽くすからこそ、アートに"解"がある』(中公新書ラクレ) 再読したい度:☆☆☆★★ 現代アートの事例を中心に、芸術の価値とは何かを紐解いていく一冊。ここでも前回紹介の一冊(人新世の「資本論」)とリンクするか…
今年に入って新書を読むようになった。そのきっかけとなった1冊を紹介する。 135. 斎藤幸平『人新世の「資本論」』(集英社新書) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 乗船中、外洋から陸に近づいてきてBSが入るようになった頃、ニュース番組に哲学者・准教授である著者斎…
134. 宮下奈都『羊と鋼の森』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 前回紹介の『蜜蜂と遠雷』の下巻が図書館で借りられない間に、「ピアノの調律師」という職業に急激かつ気まぐれな興味をもち、手に取った一冊。 音楽にもピアノにも興味がなかった主人公が、学…
132, 133. 恩田陸『蜜蜂と遠雷』(上・下)(幻冬社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 最も好きな作家の一人である恩田陸氏の大作。第156回直木三十五賞および第14回本屋大賞受賞作。国際ピアノコンクールを舞台にした、4人の音楽家の物語だ。読後はとても満ち足…
130. 米澤穂信『氷菓』(角川文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 再読。『氷菓』から始まる「古典部」シリーズは学生時代の乗船期間に一気読みした記憶が強烈に残っている反面、一気読みできるくらい「面白い」ということ以外、内容がほとんど記憶に残っていなかっ…
129. 吉田修一『パーク・ライフ』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 表題は第127回芥川賞受賞作。ほか『flowers』を収録。前回の『ポトスライムの舟』の紹介にならって、先に併載作『flowers』の感想を簡単に。私は表題作よりもこちらの方が好みだった。転職…
図書館にてタイトルが気になってふと手にとった本が、奇しくも二冊連続で芥川賞受賞作だった。どうしても比較する目でみてしまうが、表題作に関しては次回紹介の『パーク・ライフ』より今回の『ポトスライムの舟』の方が好みだった。 友人と話していて、本の…
125. 伊坂幸太郎『終末のフール』(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 学生の頃に出ていた伊坂作品は大体読んでいたので再読シリーズと思っていたが、全く記憶になかったので初読だ。3年後に小惑星が衝突し、人類が滅亡することがわかっている世界の、ある…
123. 岩井圭也『凪の海 横浜ネイバーズ(3)』(ハルキ文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 横浜ネイバーズ、完全にハマりました。近々ドラマ化するらしいが、うーん、観たくないかも。自分の中で登場人物のキャラクターが確立してきているので、それを崩されたくな…
121. 恩田陸『ねじの回転 FEBRUARY MOMENT』(上・下)(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 「過去に戻る技術が確立し、それを応用して『よろしくない過去』を改変したら、時空に歪みが生じて『謎の病』が蔓延してしまった。人の生死に関わる歴史上の数々の…
119. 岩井圭也『横浜ネイバーズ』(ハルキ文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。横浜中華街に生まれた青年がどういうわけか「探偵」として頼られていく様子が、いくつかの短編で紡がれていく。シリーズものらしく、はやく続きが読みたくてうずうずし…
何故だろう。今年はいろいろな漫画に触れた1年だった。貧弱ながら、船でネットワーク環境が整備されたからだろうか。動画はみられず漫画ならギリギリ読める程度の強さではあるが、これは正直革命的だった。触れた漫画の中には、数話だけで読み続けるのをや…
117. 背筋『近畿地方のある場所について』(角川文庫) 再読したい度:☆☆★★★ 映画化と聞いて気になっていた作品。乗船出張で読むために、珍しく電子書籍で購入した。場面、人称視点は目まぐるしく切り替わっていく。怪奇現象の現場、それに関する記事、独白…
115. 山本文緒『ブルーもしくはブルー』(角川文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 再読シリーズ。学生の時分には理解できなかったことも染み込んでくる感じがしてとてもよかった。再読の醍醐味である。 IF、すなわちある重要な場面で別の選択をした場合の人生を歩む…
113. 東山彰良『路傍』(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 図書館シリーズ。ハードボイルド小説・冒険小説に与えられる大藪春彦賞受賞作(第11回)。定職に就かないチンピラ2人の生き様をコミカルに描いた一作。著者作を手にとったのは『逃亡作法』以来であ…
111. 乃南アサ『幸福な朝食』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。かつての美しき少女は、女優を目指して上京したものの、タッチの差で自分そっくりの女にデビューされてしまう。そこから運命の歯車が狂い始め、さらに不運に拍車をかけるよう…
中巻が見つけられなくて、上巻の読了(感想43『サラバ!(上)』ほか)から1年が経過した。結局、毎年この時期に開催される学会の会場付近にある本屋(ちょうど昨年、上巻を買ったところ)で中巻を買い、友人から貰った下巻と合わせて、ようやく読了。率直に…
107. 髙村薫『四人組がいた。』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。限界集落に住む老人四人の周りで起こるドタバタコメディ短編集だと思って読んでいると、とんでもない目にあう。確かに舞台は寒村で、個性豊かな四人の老人を取り巻く話では…
106. 寺田寅彦『読書と人生』(角川ソフィア文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 物理学者であり随筆家であり俳人である著者のエッセイ、論説、所感等、29編を収録。文学界では夏目漱石や正岡子規、物理学界ではレイリーやアインシュタインなど名だたる面々との交友…
真・三國無双7 with 猛将伝 DX (Switch)をコツコツコツコツコツコツコツコツやってきて、全員の最強武器を揃え、全員を低くとも60レベル以上にまで上げてきた。将星モードは何度やったか。せっかくここまでやり込んだし、全武将の評価を記録として残しておこ…
104. 伊東成郎『新選組 2245日の軌跡』(新潮文庫) 再読したい度:☆★★★★ 新選組が好きらしい妻の一冊。新選組に関しては史実に近い内容のゲームをやったことがある程度の理解度だったが、その断片的な知識を時系列に沿って繋げるのには役立つ一冊。人や事件…
102. 荻原浩『押入れのちよ』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 再読シリーズ。9編を収録する短編集。当時はこの9編が短編集たる所以など考えていなかったが、感想集をまとめるようになった今読むと、その狙いがわかるような気がする。共通項を言い表すなら…
100. 神永学『タイム・ラッシュ』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 感想集100冊目だが平常運転でいく。図書館シリーズ。ある事故を境に殺人現場の予知夢を見るようになってしまった少女と、少女を取り巻く事件に翻弄されていく青年探偵の物語。予知能力とい…
98. いとうせいこう『想像ラジオ』(河出文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。何度か手にとっては棚に戻した過去がある。東日本大震災を主題とした小説であることを知っていたからだ。震災当時、被災地に住んでいたものの端くれとして、ただ漠然と、…
96. 池澤夏樹『きみのためのバラ』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 『夏の朝の成層圏』以来の著者作。世界各地を旅する著者だからこそ書けるであろう、味わい深い8編が収録されている。国内外さまざまな場所が舞台となっているが、人や場所に左右されない…
94. 今野敏『戦場 トランプ・フォース』(中公文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 前回紹介の『切り札』が面白かったので、続けてシリーズ第二弾を読了。相変わらず楽しめたが、第一弾よりは興奮が落ち着いた。読んでいて冷静になったのは、「対テロ特殊部隊」の面…