ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

感想53『文豪と俳句』

86. 岸本尚毅『文豪と俳句』(集英社新書) 再読したい度:☆☆☆★★ 小説家の詠む俳句を、作者の小説や考え方、性格と照らし合わせながら解釈を与えた一冊。とりあげられた作家は11名。せっかくなので全員の特徴を例句を交えながらまとめる。 幸田露伴(こうだ…

感想52『太陽の庭』・『フルハウス』

84. 宮木あや子『太陽の庭』(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ タイトルに惹かれて図書館で借りた一冊。愛読する恩田陸氏の世界観(『光の帝国』シリーズだろうか)とも似たような、ファンタジーでありつつリアリティのある作風で、とても面白かった。整然…

神奈川県立歴史博物館に行ってきた

先日、平日午後の休みを利用して、神奈川県立歴史博物館に行ってきた。最近鑑賞していなかった仏像を目当てに、「横浜 博物館」と検索をして辿り着いた。結局、博物館に仏像"以外"の素敵な楽しみ方があることを知り、たっぷり3時間半、満喫してきた。以下で…

走り歩き自伝

ランニングの距離と時間を記録するために使っているアプリがある(RunGraph)。先日、ふと気になってこれまでの記録をざっと振り返ってみた。記録を始めたのは2017年2月。私が博士課程で大学にいたときだった。つまり、約7年間の記録ということになる。そこ…

感想51『火花』・『土の中の子供』

82. 又吉直樹『火花』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 図書館シリーズ。言わずと知れた第153回芥川賞受賞作。漫才師を主人公とした小説を私は他に知らないが、芸人としての考え方やネタを集めて、「生まれながらにして芸人」というような人物を創造して語…

知識という型(かた)

もうすぐ2歳半になる息子とのあいだに、いつの間にやら会話らしい会話が成立している。「今日なにして遊んだの?」と問えば「公園いったよ。○○ちゃんが鬼したの」と答え、「水たまりは入っちゃだめだよ」と声をかければ「長靴じゃないからだめだね」と返す。…

感想50『眠れる美女』

81. 川端康成『眠れる美女』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 再読シリーズ。表題作および『片腕』、『散りぬるを』の3編が収録されている。前回紹介『少し変わった子あります』が表題作に類似していた気がして、読み返してみた。毎度異なる女性と「添い寝…

海も会話も

先日、監事との意見交換会なるものに出席した。各部から若手を集めて、ざっくばらんに所属組織の現状について意見を聞きたいというのである。何も意見がないのも忍びないと、最近の困りごと、課題、改善して欲しいことなどを記したメモをもって席についた。 …

感想49『怪奇小説という題名の怪奇小説』・『少し変わった子あります』

79. 都筑道夫『怪奇小説という題名の怪奇小説』(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。面白い構造であった。作家の男が、怪奇小説の執筆を強いられた。米国作家の名の知られていない小説を模倣して筆を執りつつ、材料探しに幼少期や過去の自分…

2024年の目標

年が明けた。年始から日本全体でいろいろなことがあって動揺しているが、恒例となったので目標をたてておく。 【生活に関して】 1. 体重キープ 当然のごとく1 kg/year増加の日々なので、減量からグレードを下げて、現状維持を目標とする。 2. リングフィット…