ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

修羅の道・北海 ──漆黒烏の章──

私は札幌に降り立った。 札幌に着いたらまず、頭上に注意しなければならない。それも、とりわけ木の上だ。宿敵はそこにひそんでいる。「まさか自分は大丈夫だろう」などというご都合主義的確率論にすがることはできない。油断すれば襲われる。それが修羅の道…

「そりゃそうじゃ」がもたらす思考の欠落について

皆さんはオーキド博士をご存知だろうか。 オーキド博士とは初代ポケットモンスターに登場し、主人公の暮らすまちで日々ポケモンの研究に励んでいる人物だ。主人公に最初のポケモンをくれるのが、何を隠そうこの男である。一見、ただのポケモン博士のように思…

誇りを模索する生き方

他人に誇れるものがない。「誇る」というと大袈裟だが、「〇〇ならその辺の奴に簡単には負けやしない」という得意や自慢が一切なにもない。 何もできないわけではない。自分で言うのもなんだが、一般教養は人並みに身につけていると思うし、これまでの人生に…

感想1『五分後の世界』・『私の家では何も起こらない』・『斜陽・パンドラの匣』・『虹彩・太陽をうつすもの』

これまで何冊の本を読んできたか知れない。これは数え切れないほど多くを読んできたと自慢しているのではなくて、ただ単に数えていなかったというだけのことである。 現在の自宅の本棚には百冊程度の文庫本が並んでいて、ときどきそれらの背表紙を眺めながら…