ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

神奈川県立歴史博物館に行ってきた

先日、平日午後の休みを利用して、神奈川県立歴史博物館に行ってきた。最近鑑賞していなかった仏像を目当てに、「横浜 博物館」と検索をして辿り着いた。結局、博物館に仏像"以外"の素敵な楽しみ方があることを知り、たっぷり3時間半、満喫してきた。以下で…

走り歩き自伝

ランニングの距離と時間を記録するために使っているアプリがある(RunGraph)。先日、ふと気になってこれまでの記録をざっと振り返ってみた。記録を始めたのは2017年2月。私が博士課程で大学にいたときだった。つまり、約7年間の記録ということになる。そこ…

感想51『火花』・『土の中の子供』

82. 又吉直樹『火花』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 図書館シリーズ。言わずと知れた第153回芥川賞受賞作。漫才師を主人公とした小説を私は他に知らないが、芸人としての考え方やネタを集めて、「生まれながらにして芸人」というような人物を創造して語…

知識という型(かた)

もうすぐ2歳半になる息子とのあいだに、いつの間にやら会話らしい会話が成立している。「今日なにして遊んだの?」と問えば「公園いったよ。○○ちゃんが鬼したの」と答え、「水たまりは入っちゃだめだよ」と声をかければ「長靴じゃないからだめだね」と返す。…

感想50『眠れる美女』

81. 川端康成『眠れる美女』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 再読シリーズ。表題作および『片腕』、『散りぬるを』の3編が収録されている。前回紹介『少し変わった子あります』が表題作に類似していた気がして、読み返してみた。毎度異なる女性と「添い寝…

海も会話も

先日、監事との意見交換会なるものに出席した。各部から若手を集めて、ざっくばらんに所属組織の現状について意見を聞きたいというのである。何も意見がないのも忍びないと、最近の困りごと、課題、改善して欲しいことなどを記したメモをもって席についた。 …

感想49『怪奇小説という題名の怪奇小説』・『少し変わった子あります』

79. 都筑道夫『怪奇小説という題名の怪奇小説』(集英社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館シリーズ。面白い構造であった。作家の男が、怪奇小説の執筆を強いられた。米国作家の名の知られていない小説を模倣して筆を執りつつ、材料探しに幼少期や過去の自分…

2024年の目標

年が明けた。年始から日本全体でいろいろなことがあって動揺しているが、恒例となったので目標をたてておく。 【生活に関して】 1. 体重キープ 当然のごとく1 kg/year増加の日々なので、減量からグレードを下げて、現状維持を目標とする。 2. リングフィット…

2023年の反省

年始に立てた目標(2023年の目標)に基づき、今年の反省をする。 【生活に関して】 1. 首〜肩〜背中〜腰の痛み軽減 → △ 鍼灸・接骨院への通院は、医院への道が片道20分という地味な遠さも災いして、出張が重なった十月頃から止まっている。その代わり、スト…

責任者出てこい

論文掲載にいたるまでに、査読というプロセスがある。投稿された論文が、雑誌掲載に相応しいか否かを判断する作業である。自分が論文を投稿する際には避けては通れない過酷な道であるし、反対に、自分自身が他の研究者の論文を査読する(=障壁となる)こと…

As you like

音楽は好きなのだが、特段詳しいわけではなく、私にいろいろな音楽を教えてくれた友人を前にして語るのもおこがましいと、あまりこのブログでは記事にしてこなかった。振り返ってみると、2017年に思い出と音楽との繋がりについて記述し(追想と捏造の狂想曲…

感想48『木の一族』・『預言者の名前』

77. 佐伯一麦『木の一族』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 前回紹介『ア・ルース・ボーイ』に続けて読んだ。続編とは銘打っていないが、主人公の男の性格、周りの人間や環境、回想、どれをとっても「続編」以外の何物でもなく、著者が「私小説」の書き手で…

知らぬが仏

『老婆心』に『知らぬが仏』と、どうも説教臭い話題が続くが、鬱陶しがらずにお付き合いいただきたい。あと、ここでの「知らぬが仏」は原意とは少し異なることを断っておく。 階段を駆け降りるという行為は、私の生活圏ではほとんど毎日の動作といっていい。…

老婆のこころ

ろうば-しん【老婆心】 年とった女の親切心がすぎて不必要なまでに世話を焼くこと。必要以上な親切心。主として自分の忠告などをへりくだっていう語。「―ながら申し上げる」 ──広辞苑より 「よかれと思って」と考えることが多々ある。友人の言うところの(彼…

日本酒7『一味の真』・『ねぶた』・『寸鉄』・『越乃雪椿』

14 真稜 一味の真 特別本醸造 評価:おいしい(B) 日本酒度:+4~+5 酸度:1.2~1.3 新潟は田才酒造の一本。淡麗・辛口。すっきりとしていて、水のようにごくごくいけた。「水のよう」という形容は個人的には褒め言葉なのだが、「口当たりの良い」などと上品…

感想47『ア・ルース・ボーイ』・『MISSING』

75. 佐伯一麦『ア・ルース・ボーイ』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 何気なく図書館で手に取った一冊。著者は仙台出身で、かつ本作の舞台も仙台だったこともあり、妙な親近感を覚えて読んだ。第4回三島由紀夫賞受賞作。 進学校を中退し、子連れの同級生…

シアトル貧乏旅行

出張の嵐も大詰めだ。今回は、アメリカはワシントン州シアトルに行った。 シアトル・タコマ国際空港に到着後、ライトレールに乗って学会会場周辺へ。電車やバスでの移動にはORCA(オルカ:シアトルのシンボル的存在であるシャチのこと)カードを購入すると便…

京都さんぽ

出張が多いので旅行記の類が必然的に多くなる。今回は、京都に行った話をしようと思う。 京都はやはり雰囲気がある。碁盤目状に整った道に、平然と姿をあらわす寺社仏閣。あえて街灯の照明を抑えているのか、夜道は薄暗く、武士たちの謀反や襲撃が起こりそう…

日本酒6『福司 大吟醸・海底力・霧笛』

今回は、先日の釧路出張でいただいた日本酒を紹介する。大正8年創業、釧路の地酒 福司酒造の福司(ふくつかさ)シリーズが飲み比べできた。 写真を先に載せておこう。 11 福司(ふくつかさ)大吟醸 評価:おいしい(B) 日本酒度:+2 酸度:1.3 値段は3つの…

色づいた釧路

先日、北海道東部のまち、釧路に出張した。気温は20度前後。日中は半袖で涼しいくらい、夜になるとカーディガンを羽織っていないと少々肌寒いときた。天国かと思った。 実は、釧路の地に降り立ったのは、これが初めてではない。10年前、まだ私が学生だった頃…

感想46『アルバイト探偵 調毒師を捜せ』・『わたしの好きな季語』

73. 大沢在昌『アルバイト探偵 調毒師を捜せ』(講談社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ 昔にシリーズ1作目を読んでおもしろかったので買った続編の短編集だ。そのまま長いこと放置してしまっていたせいで、序盤は登場人物を忘れかけていたが、前作を読み直す必要…

洋上の戯言

朝焼けの雲が黒いのは、夜の闇を吸い取ったからだと思う。 雷雲が黒いのも、何かの闇を吸ったからで、それは少しの光も残さぬよう、稲光を激しく放出しながら去ってゆく。 闇はあっさりと上空を流れゆき、快晴。 トビウオ。彼らの飛行距離の長さには驚かされ…

感想45『風の中のマリア』・『飽きる力』

71. 百田尚樹『風の中のマリア』(講談社文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ オオスズメバチの働き蜂が主人公の、異色の物語。今回は珍しく、蜂の世界の話であるという前提条件は知った上で購入した。オオスズメバチに関する知識不足も手伝って、初めは世界観に入り…

うるおいが足りない

我らが伊集院光先生も深夜ラジオの冒頭で再三話題にしているが、最近、ちょっと暑すぎはしないか。正直、いままでに経験したことのない、危機感を覚えるほどの暑さである。学生時代は運動部で、真夏でもわりと真面目に体を動かしていたが、あの頃の暑さには…

傘もささずに僕達は

ある雨の日、鍼灸院にて腰痛の治療を受けた帰りに、自分の傘がないことに気がついた。入口の傘立てに置いてあったのが姿を消していた。どうやら、誰かが取り違えたらしい。 何の変哲もないビニール傘だったのだが、使っていれば多少なりとも愛着が湧くもので…

風は軟風

子どもの体重が10 kgを超えて久しい。抱っこをする自分自身への負担が、文字通り痛いほど感じられ、体力がないのはいけないと、最近は以前にも増して筋トレやランニングを意識してするようになった。 筋トレはNintendo Switch『リングフィットアドベンチャー…

感想44『大河の一滴』

70. 五木寛之『大河の一滴』(幻冬社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 友人に読むべしと勧められ、同時に感想を書くのは難しいだろうと挑発された一冊。確かに、本筋から派生して話題は多岐にわたるのでまとめるのは容易ではなかったが、読了後の臨場感をそのまま…

ハードルが低い

最近、首肩腰の張りや痛みがひどくて鍼灸治療を受けていることは前にも記した(2023年の目標)。しかし、それだけではままならないので、運動後や就寝前はなるべく時間をつくってストレッチをするようにしている。 私の中のストレッチや準備体操の基本は小学…

感想43『サラバ!(上)』・『海のトリビア』

68. 西加奈子『サラバ!(上)』(小学館文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 上中下の三巻からなる長編のうち、まずは上巻だけを読んで感想を書いている。上下巻で完結と勘違いして、既に下巻だけ買ってしまった。中巻はまだ入手していないこともあり、読破までは少…

樽と壺は壊せ

バイオハザードのやりすぎか、ハーブティーを飲むと少し体力が回復する気がする。赤色のハーブが混ぜられるとなお良さそうだ。一方、三国無双の肉まんは何か違う。どちらかというと、食べるほど攻撃をくらう気がする。 ゴールデンウィークの頭に子供が熱を出…