ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

行く道、帰る道

弊所の最寄駅でも、最近はリクルートスーツを纏った新卒採用者らしい若者が目立つ。背筋を伸ばし、我々の眼前には希望しかありませんといわんばかりの凜とした態度で、車内や改札前でたむろして、彼らは高尚な雑談をしている。あとは、改札を出たところでき…

感想41『木洩れ日に泳ぐ魚』・『空気の発見』

65. 恩田陸『木洩れ日に泳ぐ魚』(文春文庫) 再読したい度:☆☆☆★★ 引越しの荷出しを終えて、がらんとした賃貸アパートの一室で、テーブルがわりのキャリーケースを挟んで向かい合う男女。酒を舐めながも、二人には思うところがあるようで、どうやら喜ばしい…