ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

感想8『PK』・『今はじめる人のための俳句歳時記 新版』

17. 伊坂幸太郎『PK』(講談社文庫) 再読したい度:☆☆☆☆★ これぞ伊坂というような、バラバラだったピースが綺麗にハマっていく快感──! 風な話だと思いきや、考え出すと時系列や登場人物がうまく噛み合わないちょっと不思議な一冊。三つの中編が、著者の…

麺をすするとき、幸福と不幸がいつも背中合わせでいる

1999年12月31日、私は自宅で一家団欒を楽しんでいた。 片付けないままのクリスマスツリーの電飾を灯し、『ゆく年くる年』で除夜の鐘を聞く。そんな不釣り合いなどお構いなしに、小学生の私と幼稚園児の弟たちはこれまでとは少し違った年越しに心躍らせていた…