ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

悪夢を君とひとりで

 

最近,寝つきは悪いし睡眠の途中で何度も目覚めるし悪夢を見るしで,睡眠に希望がもてない。

せめて夢の世界くらい──と思うものだが,ここは発想の転換だ。特殊なストーリーの夢は記録に残しておこう。何かの役に立つかもしれない(何のだろう)。

 

まずは,フツーの悪夢を列挙する。

 

・古い洋館に友人らしき人(誰かは不明)と二人で入り,ウロウロしていると何故か中学校の美術室に辿り着く。当時の美術の先生に「そこの絵を取ってくれ」といわれてそちらに向かうと,どこからともなく大量のネズミが現れ,床や足元や私の身体全体を覆い,とにかく噛まれる。友人と先生は私のその姿をただ嘲笑う。

 

・明らかに蜂の巣があるのに,その道をどうしても歩かなければならないらしく,「先に行ってよ」と隣の誰かに促され,行くと,恐ろしい数刺される。

 

・「そこの草のところに手を突っ込むと捕まえられるから」と隣の誰か(いつも誰なんだよ)に言われる。(ああ,捕まえなきゃいけないのか)と手を突っ込むと,黒くて枝のような体で,お尻だけが風鈴みたいにぷっくり腫れあがった虫に,刺される。

 

・小型ボートで釣りをしていると(現実では釣り全然やったことないけど),デカい蛇が釣れる。びっくりして隣の誰かがそれを即座に海に投げると,蛇VSサメの戦いが目の前で始まる。その蛇の強いこと強いこと,サメはやられて,私も隣の人も蛇に噛まれる。

 

うむ,刺されたり噛まれたりする夢が多い。

そして,これだけ覚えているってことは,やっぱり眠りが浅いのだろう。

他にも犬とか,鳥とか,人とか,噛んだり刺したりしてくる奴はいろいろいるのだが,まあそれはもういいだろう。

でも,どれも本当に痛い気がして,苦しくて,嫌だ。

 

さて,最後にNO HOPEの悪夢をひとつ。

 

 

友人(この人は実在する。本人は東京というが,埼玉在住)宅に行くことになる。電車内で「あと○○分程で着きます」と連絡をして,電車を出ると,そこは何故か,ハワイ。

友人に連絡しようにも携帯が使えず絶望していると,突然ヤバそうなサイレンとともに,放送が流れる。

「3人が放たれました。緊急避難してください(何故か日本語)」

3人ってなんや?と思っていると,レンガ造りの倉庫の角からスマートかつ筋肉質で顔のキリッとしたドラミちゃんみたいな奴が現れる(ドラベースを知っている方,例えるならムキムキで黄色いヒョロえもんです)。

走って逃げるも,ドラミちゃんの足が速すぎて追いつかれ,飛び蹴りされる。痛い。非常に痛い。

逃げては蹴られ,逃げては蹴られを繰り返す。

 

やがて,ドラミちゃんをどうにかしてまいて,倉庫の中に迷い込む。

そこで姿を現したのは,太ったオバサンだった。鮮やかな緑のスーツにつばの広い緑の帽子,デカい真珠のネックレスを身に着け,カツカツと緑のヒールを鳴らしている。髪は薄紫,茶色がかったレンズの眼鏡をかけて,手には高そうなバックと,虫よけスプレー的な何かを持っている。怪しい。

そのオバサンは私を見つけるや否やドラミちゃんに劣らぬスピードで走って近づいてくると,顔めがけてスプレーしてきた。

赤い飛沫。からい,というか痛い。刺すような痛みだ。倒れそうになるのを必死にこらえ,逃げる。

逃げてはプシュー,逃げてはプシュー。

 

そしてついに,ドラミちゃんとオバサン二人同時に対峙してしまう。

ああ,終わった。蹴りとプシューが同時に迫る──と思っていたら,ドラミちゃんが倒れ込み床で悶絶しだした。顔からは白い煙があがる。どうやらプシューにとっても弱いらしい。

仲間(?)を倒しちゃったオバサンはアワアワ,ドラミちゃんはバタバタ。

 

チャンス!と思って倉庫を飛び出し,とにかく走る,走る,走る。すると,倉庫の向こうの高層ビル群の影に,ビルと同じくらいの大きさの,巨大な白い物体がみえる。

(なんなんだ──)と疑問に思いつつも,倉庫群の中をとにかく走る。

すると,倉庫の間から,扉から,窓から,屋根の上から,壁をぶっ壊してまで,無数の鋭利で巨大な何かが,一斉に飛び出してきた。

そのうちの何本かは,私の身体を貫通した。刺された──,痛い。

ギャー,という声とオバサン&ドラミちゃんの倒れる様子が,別カメラ的にみえた。

 

謎の巨大な白い物体が,ビルを倒しながらウロウロしている。顕わになった姿を見れば,それはドデカいケサランパサランに脚が生えたみたいな奴だった。

数十秒に一度くらいのペースでフワフワの毛を長く鋭く硬直させて,街を無差別に破壊しながら,そいつ(デカすぎるニンテンドー64のニードルカービィみたいな感じです。通じるかな?)は徐々に倉庫街に近づいてくる。

硬直の瞬間に出る「ジャキーン!」という音が,恐怖だ。

 

刺されつつ走っていると,いつの間にか倉庫群を抜けていた。右に倉庫群,その奥にビル群とケサランパサラン,そして左は緩やかな傾斜の丘となっていたのだ。

それに気づいて,(あ,丘に逃げよう)と思う。

 

だが,その判断がまずかった。

高いところに登った私を巨大ケサランパサランはすぐに見つけたらしく,蜘蛛みたいな細長い脚を恐ろしい速さで動かして,あっという間に追いついてきた。

ああ──,本当に終わった──。

「ジャキーン!」

 

 

「うぅっっっ!」

自分の唸り声で目が覚めて,めでたしめでたし。もうイヤ! こんな睡眠。

 

自分以外の登場人物(ちゃんとした人間)がいることが結構多いのですが,誰も全く助けてくれないんだよね。

悪夢は結局,一人で解決せねばならぬらしい。