ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

京都さんぽ

 

 出張が多いので旅行記の類が必然的に多くなる。今回は、京都に行った話をしようと思う。

 京都はやはり雰囲気がある。碁盤目状に整った道に、平然と姿をあらわす寺社仏閣。あえて街灯の照明を抑えているのか、夜道は薄暗く、武士たちの謀反や襲撃が起こりそうな気配がぷんぷん漂っている。ここ、雰囲気があるな、と思ったら、そこは既に京都かもしれない。気をつけて欲しい。ただ、場所によっては外国人観光客が多すぎて、ここ海外か? とならないでもない。

 さて、宿は京都駅から地下鉄で10分弱のところに予約していた。そこから出張先の京都大学までは東へ真っ直ぐ行って、途中で北へ。碁盤目状で実に明快だ。そう思っていたが、単純そうに見えるがゆえに、距離感がわかっていなかった。会場まで、徒歩40分。公共交通機関の接続はイマイチ。すなわち、朝と夕方、良い運動である。

 残暑が続いちゃって続いちゃって仕方がない中、40分の散歩はなかなか過酷であった。出張中は1日あたり20000歩は歩いていた。だが、苦痛ではない。毎日少しずつ道をかえ、景色を楽しんだ。鴨川沿いをのんびり歩いてカップルをひやかしてみたり、京都御苑の敷地をいそいそと横切ってみたり。悪名高い大学の寮も2ヶ所ほど見学に行った。

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 会合の合間の昼休憩には、飯はコンビニおにぎりなどでさっと済ませて、散策にいそしんだ。とはいっても、会場からはそんなに離れられないので、あえて、観光だったら目的地に選ばないであろう、会場近くの有名でない大きな寺を巡った。人が少なくてとても良かった。熱心に仏像に手を合わせる人たちが、ちらほら。ここは海外か? と錯覚するほどの外国人観光客も皆無。落ち着く。京都だ、真の京都はここにあったのか!

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 出張最終日、帰りの新幹線まで少し時間があったので、乗船で一緒になった京都大学の学生たちと昼飯を食べた。美味なハンバーグだった。京大生はこんな美味いものを食っているのか。

 彼らの研究を邪魔してはいけないので、食後は早々に解散し、近くにちょっと有名な寺を見つけたので行ってみた。正式名称は東山慈照寺。そう、「銀閣寺」である! 私は仏像マニアなので寺ならどこだって楽しめるし、ミーハーという訳では決してないのだが、京都に行って有名どころ全く行かないのもなんかねぇ、ということで。スーツ姿で汗だくの私に笑みを向ける外国人たちと共に、趣深い庭園を味わってきた。

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 最後はアイスコーヒー片手に、小走りで「哲学の道」なる雰囲気しかない通りを抜けて、帰路についた。やはり京都=雰囲気だった。是非散歩して欲しい。いや、自転車走行エリアがかなり整備されていそうだったので、皆さんには徒歩ではなく、自転車をおすすめしたい。

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