ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

2023-03-08から1日間の記事一覧

感想40『斜陽』

64. 太宰治『斜陽』(新潮文庫) 再読したい度:☆☆☆☆☆ 一言、圧巻である。本作は、貴族に生まれた女とその家族の破滅を描く物語だ。斜陽、すなわち沈みゆく太陽。まさに表題の通りである。夕暮れ前、物語の始まりはあまりにのどかで、明るく、上品だ。その印…