ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

座右の銘候補を考える

 

 年始に「座右の銘を考える」というのを目標として掲げた(2022年の目標 )。これから数十年、ひいては人生(そういうと仰々しいが)をかけて達成すべき目標をもっていても良いと考えたのだ。思い立ったのは、とある組織の新任職員の紹介ページを眺めていたときだ。自己紹介フォーマットの「信条」の欄がなかなか面白いのだ。めいめいが各々の人となりを想像させるような、良い言葉を掲げていた。それに感心すると同時に、危機感をもった。自分は彼らのように、拠り所となる言葉を持ち合わせていない、と。

 危機を感じたからといって、いきなり一つに絞って「やっぱ違うかな」と取り下げるのも自分自身を理解していないようで恥ずかしいので、一年をかけて、段階を踏みつつ決定することとする。今回は候補を列挙するまでとし、年末には「座右の銘オブ・ザ・イヤー」を発表できればと思う。それすなわち、「座右の銘オブ・マイ・ライフ」となることを目指して。

 

1. 真剣にやれよ! 仕事じゃねぇんだぞ!

 名言製造機タモリ氏の発言。遊びに本気な彼の信条がよく現れた発言で、とても好きである。

 

2. ユーモアの源泉は喜びにあるのではなく、悲しみにある。天国にユーモアはない。 

 こちらは名言の源泉たる作家マーク・トウェイン氏の言葉。悲しみの中に身を置いてこそ、おもしろさを見出せる。良い言葉だ。

 

3. 継続は力なり

 友の文に触れて、この言葉の良さを記したことがある(よくあれという思いやり草の花 )。効率化がしきりにいわれる今、浪費を承知であえて地道に。いいじゃないですか。

 

4. 一片氷心

 高校生くらいから好きな言葉。ひとかけらの氷のように、清く澄みきった心の意。潜在意識にあってか、子の命名にも通ずるものがあったように思う。良い言葉だが、私の人生とは程遠いか。

 

5. 友達は一人いれば良い

 これは父の言葉。その父をなぞるように、私にも胸を張って友といえる男が一人だけいる。あれ、目標達成しちゃってる?

 

6. 人見知りじゃない奴は面白くない

 こちらもタモリ氏の言葉。私も「人見知り」には大賛成で、むしろ初対面から土足で踏み込んでくるような人には面食らう。人見知りとは思慮深いことであり、相手や場の空気をよく考えて人と接することができるから、面白いのだと思う。

 

7. ロマンはどこだ

 伊坂幸太郎氏の作品『陽気なギャングシリーズ』の登場人物の台詞。感性や好奇心の赴くままに、冒険しようじゃないか。論理性を重視しがちな私だが、それも感性に従った結果のように思う。我が理想像・次元大介も、ロマンを大事にする男だ。

 

8. これでいいのだ

 赤塚不二夫氏が描く『天才バカボン』のパパの口癖。タモリ氏が赤塚不二夫氏に送った弔辞が、この言葉の良さの全てを語っている。全てのことを肯定的に受け入れること。それによって人間は軽やかで、明るくなれる。

 

9. 好きなようにやれ

 父の言葉。両親には、ああしろこうしろと言われたことが一度もない。それは、この信条があったかららしい。好きなようにやるためには、準備も覚悟も責任も要る。自由なようで、重い言葉でもある。

 

10. 私は信条より人間を好む。そして、信条のない人間をこの世でもっとも好む。

 詩人オスカー・ワイルドの言葉。信条を考えているときに、これを挙げるのは斜に構えているようだが、何ものにもとらわれない生き方というのもよい。

 

11. 不言実行

 以前にもこの言葉に関しては触れている(有言不言実行、そして現状打破維持 )。何も言わずに任務を完遂する。ここにも次元大介の格好よさが見え隠れする。

 

12. 諸行無常

 中学時代には平家物語で、大学時代には向井秀徳の歌詞で繰り返し目に耳にした言葉。深い概念だが、信条とするには流動的すぎるか。

 

13. ハクナマタタ

 幼少期を中心にこれまで何十回とみたディズニー作品『ライオンキング』およびスピンオフ『ティモンとプンバァ』シリーズのティモンとプンバァの口癖。スワヒリ語で「どうにかなるさ、悩まずに生きよう」の意。

 

14. きたれ! やる気のない諸君!

 児童書で読んだ『キャプテンはつらいぜ』シリーズの塾の先生兼監督の言葉。小学生の頃読んだのを未だに覚えているのだから、痛烈な記憶である。応じる側は、やる気はないが、変わらなければならないことはわかっていて、呼びかけに応えるだけのやる気はある。『無知の知』に通ずるものがある。発する側には、暑苦しくなく、力を抜いた、だらけきった優しさがある。

 

 今までで思いついたのはこれくらいだ。座右の銘か? みたいなものもあるが。この中から選考していくつもりだが、追加エントリーの可能性もある。選抜の進捗は、折に触れて記したい。