ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

日本酒1『はじめに』・『大吟醸 北秋田』

 

0 はじめに

 日本酒図鑑を作ろうと思う。これまで、それなりの種類の日本酒を飲んできたが、どれがどんな味だったのかさっぱり覚えていない。味の違いがよくわからないことが多い。それは、一年以上前に友人らと開催した「日本酒飲み比べ銘柄当て大会」最下位という華々しい成績にも裏付けされている。

 私の人生における幸福を一つあげるとすれば、それは「なんでも美味しくいただけること」だ。しかしそれは、裏を返せば「味の違いがわからない男」という不名誉なレッテルそのものであって、そんな私が作る図鑑だから、ネット上に数多ある崇高な日本酒レビューとはかなり違ったものになることは断言しておく。味の評価や皆様方へのおすすめなどはできる立場にないのである。

 味の評価というと、私には独自の基準がある。基本的には、

「ふつう(C)」

「おいしい(B)」

「うまい(A)」

の3段階評価。「ふつう」はそのままの意味で、苦手な食べ物はなく、料理をまずいと思うこともないので、口にするものは全てここからスタートする。普通の領域にとどまらない美味なものは「おいしい」、それを超えて些か感情的になってしまうものが「うまい」に分類される。うまいっ、と促音が入る感じだ。そして、その3段階をも超える、信じられないほど美味い食べ物に出会うと、

「まじか(S)」

という最上級の評価になる。

 どうか、この日本酒図鑑の感想を信用しないで欲しい。私が「甘い」といっても本当は辛口であったり、「フルーティ」といっても実際はキレッキレの刃物のような味だったりするかもしれない。単純に「こんな日本酒あるよね」と眺めたり、「それ、私も飲んだ」と振り返ったりしていただいて、ときどき「これをそんな味だと思う奴がいるのか」とか、「コイツのいう味、探せばかすかに感じられるぞ」とか面白がってもらえれば幸いである。

 だが、いくら信用するなとは言っても全く指標がないと判断に困る。そこで、

「日本酒度(辛さの度合い、ブドウ糖の量)」

「酸度(濃厚さの度合い、酸の量)」

だけは参照していきたいと思う。以下に参考の図を引用しておく。

f:id:daikio9o2:20210128154415p:plain

(地酒蔵元会 https://www.kuramotokai.com/omosiro/zemi/id/1/ より引用)

 

1 大吟醸 北秋田

f:id:daikio9o2:20210128154630j:plain

評価:まじか(S)

日本酒度:+3.0

酸度:1.3

 いきなり出た最高評価。M-1グランプリの審査員だったらトップバッターは基準とするために85~90前後の点数をつけるだろうに。だが、そんなことは関係ない。美味いものは美味いのだ。我が地元の酒という贔屓目を差し引いても美味だった。大吟醸を1000円以内で購入できるといのはかなり安いみたい。写真は撮り忘れてしまったので、引用させていただいた。

 口に入れてすぐはすっきり飲みやすく、一方で後味はキャラメルっぽい甘さが口に広がる感じだった。ということは淡麗甘口だな! と思ったら分類的には淡麗辛口なのか……。ま、想定通りのハズしなので別に気にしてないけど! 数値と実際の感覚が違うこともあろう。