ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

旅行記

シアトル貧乏旅行

出張の嵐も大詰めだ。今回は、アメリカはワシントン州シアトルに行った。 シアトル・タコマ国際空港に到着後、ライトレールに乗って学会会場周辺へ。電車やバスでの移動にはORCA(オルカ:シアトルのシンボル的存在であるシャチのこと)カードを購入すると便…

京都さんぽ

出張が多いので旅行記の類が必然的に多くなる。今回は、京都に行った話をしようと思う。 京都はやはり雰囲気がある。碁盤目状に整った道に、平然と姿をあらわす寺社仏閣。あえて街灯の照明を抑えているのか、夜道は薄暗く、武士たちの謀反や襲撃が起こりそう…

日本酒6『福司 大吟醸・海底力・霧笛』

今回は、先日の釧路出張でいただいた日本酒を紹介する。大正8年創業、釧路の地酒 福司酒造の福司(ふくつかさ)シリーズが飲み比べできた。 写真を先に載せておこう。 11 福司(ふくつかさ)大吟醸 評価:おいしい(B) 日本酒度:+2 酸度:1.3 値段は3つの…

色づいた釧路

先日、北海道東部のまち、釧路に出張した。気温は20度前後。日中は半袖で涼しいくらい、夜になるとカーディガンを羽織っていないと少々肌寒いときた。天国かと思った。 実は、釧路の地に降り立ったのは、これが初めてではない。10年前、まだ私が学生だった頃…

洋上の戯言

朝焼けの雲が黒いのは、夜の闇を吸い取ったからだと思う。 雷雲が黒いのも、何かの闇を吸ったからで、それは少しの光も残さぬよう、稲光を激しく放出しながら去ってゆく。 闇はあっさりと上空を流れゆき、快晴。 トビウオ。彼らの飛行距離の長さには驚かされ…

韓国くいだおれ出張記

異国の地へ6泊7日の「くいだおれ」の旅へ行ってきた(本当は仕事だよ)。 舞台はこちら。写真ですぐにおわかりだろう。そう、韓国は釜山の海雲台(ヘウンデ)である。 初日は到着が遅かったのでホテルでカップラーメンを食べながらビールを一杯。日本語や英…

3000円60回払いという生き方

ゴールデンウィークは出張の代休を利用して7連休にした。そして、初日から6日間を妻と私の実家への帰省に費やした。交通手段は息子が飽きたり暴れたりしてしまったときのことを考えて、レンタカー。ワイルドで狂気的なドライブ、怒りのデスロード、死のカー…

宮崎・鹿児島出張記

先日、宮崎県・鹿児島県に出張した。目的地までの道中、何箇所か立ち寄ったところがあったので、旅行記としてここに綴りたい。はじめに断っておくが、以下は私が現場で見聞きしたことを主体にまとめている。必ずしも情報の裏を取っていないことに注意して欲…

日本酒4『無手無冠 酒槽一番汲み』・『亀泉酒造 上撰辛口 土佐の地酒』

ろばた焼仙樹 本店〒780-0052 高知県高知市大川筋1-3-47 088-823-7769地図や店舗情報を見るPowered by ぐるなび[{"@context":"http://schema.org","@id":"https://r.gnavi.co.jp/70znetpp0000/","@type":"LocalBusiness","address":{"@type":"PostalAddress"…

海はいさ空には歌は生まれない

仕事柄、長期で航海に出ることがある。航海中は週から月の単位で陸を見ない。周りは海と空だけ。 波風一つない水面に雲が綺麗に反射して見えたり(このような静かな海の状態を「べた凪」と呼んでいる)、珍しい鳥やイルカなんかが見えたりすると一寸盛り上が…

一泊二日、世界一周の旅

*この記事の内容の多くは虚構であり、史実とは異なる記述が含まれています。 先日鬼怒川温泉を訪れた際、東武ワールドスクウェアに寄って世界一周旅行をしてきた。今回はその旅をちょっとした知識を交えて振り返ってみたい。 1 自由の女神像 自由と民主主…

修羅の道・北海 ──蒼天童の章──

札幌に降り立って(修羅の道・北海 ──漆黒烏の章──)2日目、漆黒の烏の猛攻から逃れてたどり着いたのは、蒼天にそびえ立つ鋭利な塔だった。それは「さっぽろテレビ塔」という建造物らしかった。塔の周りには花壇が並んでおり、塔は美しい花々に装飾されて堂…

修羅の道・北海 ──漆黒烏の章──

私は札幌に降り立った。 札幌に着いたらまず、頭上に注意しなければならない。それも、とりわけ木の上だ。宿敵はそこにひそんでいる。「まさか自分は大丈夫だろう」などというご都合主義的確率論にすがることはできない。油断すれば襲われる。それが修羅の道…

あゝ日本海

そのまちには確かに初めて訪れたのに、何処か懐かしい感じがした。 出張で訪れたのは鳥取県境港市。以前話題になった「米子鬼太郎空港」に降り立つと、地元の職員の方が出迎えてくれた。行先までは少し距離があるということで、車で迎えにきてくださったのだ…

我が手に使用許可を

七月某日、名古屋観光に行ってきた。 仕事終わりに新幹線にとび乗って、宿に着いたのは二十一時半頃であった。 荷物をおくが早いか、我々は手羽先を喰らいにいくことにした。私も同行人も空腹と暑さのため、道中はいささか殺気立っていた。 たどり着いた店で…

ポートランドに魔物は散った

先日、とある任務遂行のため、私はポートランドへと飛んだ。 その任務とはぷれぜんてーしょんと呼ばれる魔物の撃破であった。えいりあんと映画で戦っていたアレである。そんなものと戦わねばならぬ私の素性? それはここで皆さんに明かすことはできない。 な…

好きな気持ちはしょうがない

いつだったか、東京を訪れた際に抹茶ジェラートが有名なお茶屋さんに行ったことがあった。 そこではジェラートの抹茶の濃さを好きに選べて、一番濃いのを選ぶと、それはなんと世界一濃いらしいのだ。 同行者からこの店の話を聞いた瞬間、これはもうこの店に…

岩城に笑いの花が咲く

今年の夏、友人らと4人で秋田県は由利本荘市岩城を旅した。 そのとき、悪ふざけが過ぎて私は手の込んだ「旅のしおり」なるものを作成し、その一部として「でたらめ観光案内」を書いた。 今回は、それをそのままお読みいただいて、岩城の魅力を皆様に是非知…

京都を盗め(3)

daikio9o2.hatenablog.com daikio9o2.hatenablog.com 夕刻,我々はハンバーガーショップにてコーヒーをすすっていた。 京都国立博物館ではこれといった情報は得られなかった。手がかりとなりそうな仏像の展示スペースは完全改装中であり,係員の目を気にしな…

京都を盗め(2)

daikio9o2.hatenablog.com 目的には二十分程で到着した。 「ここが三十三間堂だな」 「ああ。実は一度,ここには別の仕事で来たことがある」 相棒のSは自転車を駐輪場に停めながら言った。 そうか,と相槌を打つだけにして深く詮索はしない。この世界の相棒…

京都を盗め(1)

平凡な泥棒と優秀な泥棒の一番の違いは何か? 手先の器用さ,機敏さ,強靭さ,賢さ──。確かにそれらも重要だろうが,実は全て不正解である。 平凡な泥棒と優秀な泥棒の決定的な差,それは「事前調査力」だ。 完璧な下調べ無くして完璧な計画は無く,すなわち…

閻魔が見てるそんな夜

2015年6月下旬,私は美しき街プラハにいた。 一週間ほどの滞在にもかかわらず私の用事は最終日だけであったので,それまでは緊張を押し殺すように,敢えて浮つき散らして,遊び散らかしていた。仕方なしに観光に狂っていた。本当である。緊張のし過ぎは…

国境は別れの顔

ついにこのときがきた。 このタイトルを使わせていただくときが。 ルパン三世TVシリーズのタイトルが極めて格好良くて,それらに鼓舞されて何度か拙文を書いてきた。 しかし,今回は順序が逆で,表題の「国境は別れの顔(TV第2シリーズ第58話)」が内容を…

ノスタルジーの行方

所用のため滞在中のハワイはホノルルにて筆をとる。 到着初日だが,もう日本が恋しい。私の準備不足が全ての原因ではあるが,率直にいうと,やはり言語の壁は大きいなと思ってしまう。皆さん必死に理解しようと努力してくれるので,余計に悲しく,そして申し…

ブルターニュの風は高く

2015年11月11日。 フランスはブルターニュ地方の港町,ブレストの海沿いに私は立っていた。 曇天になびく白と黒の旗と,それをじっと眺める老婆。 真実と妄想の英雄譚が,ここから始まった──。 昨年,フランスの研究機関に出張する機会があって,こ…