ライ麦畑で叫ばせて

日常・回想・妄想・数学理科・社会・思考の道草 を軸に書きます。宜しければご覧ください。

妄想

岩城に笑いの花が咲く

今年の夏、友人らと4人で秋田県は由利本荘市岩城を旅した。 そのとき、悪ふざけが過ぎて私は手の込んだ「旅のしおり」なるものを作成し、その一部として「でたらめ観光案内」を書いた。 今回は、それをそのままお読みいただいて、岩城の魅力を皆様に是非知…

京都を盗め(3)

daikio9o2.hatenablog.com daikio9o2.hatenablog.com 夕刻,我々はハンバーガーショップにてコーヒーをすすっていた。 京都国立博物館ではこれといった情報は得られなかった。手がかりとなりそうな仏像の展示スペースは完全改装中であり,係員の目を気にしな…

京都を盗め(2)

daikio9o2.hatenablog.com 目的には二十分程で到着した。 「ここが三十三間堂だな」 「ああ。実は一度,ここには別の仕事で来たことがある」 相棒のSは自転車を駐輪場に停めながら言った。 そうか,と相槌を打つだけにして深く詮索はしない。この世界の相棒…

京都を盗め(1)

平凡な泥棒と優秀な泥棒の一番の違いは何か? 手先の器用さ,機敏さ,強靭さ,賢さ──。確かにそれらも重要だろうが,実は全て不正解である。 平凡な泥棒と優秀な泥棒の決定的な差,それは「事前調査力」だ。 完璧な下調べ無くして完璧な計画は無く,すなわち…

お手本はずっと昔に置いてきた

久々の投稿である。 良い報告は全く無いが,迫られていた用事はひと段落,書きたいことが初雪程度に積もっている状況だ。 今回は,以前の記事(習字セットの筆は今 - ライ麦畑で叫ばせて)に深く関連している。 先の記事を要約すると, ”あるアーティストの…

スミノジカン

男は今日も教室の隅に座る。全てはしがらみから解き放たれた1時間のために。 2時限目は古文の授業の直前,右手にパイプ椅子,左手に年季の入ったノートという馴染みの格好で,彼はするすると教室に現れた。 「あ,スミノセンセ,おはようございます」 彼を…

悲しみのまち

抜けるような空が眩しい。 早朝の陽射しが光る石畳の道沿いには,落ち着いたベージュの壁に鮮やかな赤い屋根の家々が整然と立ち並んでいた。まちには空缶も紙屑も吸殻も,ごみ箱すらも見当たらない。 まちの中央に位置する広場には,モーニングコートやドレ…

あの日と同じ風

マストになびく信号旗に憧れていた。 ずっと昔の話になる。私は海沿いの小さな町に生まれた。そろそろと細く弱々しい黒煙を上げる工場が幾つかと,そこではたらく者たちの住まい,あとは漁で生計を立てる世帯がちらほらとあるだけの町だ。 生まれ故郷の記憶…

ブルターニュの風は高く

2015年11月11日。 フランスはブルターニュ地方の港町,ブレストの海沿いに私は立っていた。 曇天になびく白と黒の旗と,それをじっと眺める老婆。 真実と妄想の英雄譚が,ここから始まった──。 昨年,フランスの研究機関に出張する機会があって,こ…

習字セットの筆は今

彼らはトーク中に「僕らの目標は結成序盤で達成されてしまって,そこから今までは惰性でやってます」的なことを語ってくれた。 惰性で国民的アーティストになれるのだから,その才能には嫉妬せざるを得ない。 先日,ある有名バンドグループのライブに行って…

巡る巡るは海のよう

負の要素が人を駆動する力というのは甚大だ。 成功や幸福なんかのポジティブな事象より,失敗,恐怖,失望などに突き動かされることの方が(少なくとも私は)多い。 私にも,スポーツというものに打ち込み,仲間たちと更なる高みを目指して血と汗と涙を流す…