ライ麦畑で叫ばせて

日常/数理/旅や触れた作品の留書/思考の道草 などについて書いています。

俳句

文芸ミュージカル「三毛子」へ参戦

どうも、廃人あらため俳人の者です。 一昨年にお〜いお茶新俳句大賞で佳作特別賞をいただいて以来、どうも賞をもらう機会から遠ざかっているなと不思議に思っていたが、それもそのはず、そもそもお〜いお茶新俳句大賞以外に応募していなかった。 今年はいろ…

感想36『2017年版夏井いつきの365日季語手帖』

58. 夏井いつき『2017年版夏井いつきの365日季語手帳』(マルコボ.コム) 再読したい度:☆☆★★★ 図書館シリーズ。1日1句、全365句が味わえるようになっているのを、2週間弱で堪能した。取り上げられた俳句は写実的で基本的なものが多い印象。調べると年ごと…

感想30『元気が出る俳句』

49. 倉阪鬼一郎『元気が出る俳句』(幻冬舎新書) 再読したい度:☆☆☆☆★ 壮大だったり前向きだったりして元気の出る俳句が紹介されている。食べ物、動物などのテーマ別に十二の章に分けられているので、好みのものをピックアップして鑑賞することも可能だ。…

俳句7「切れ字『や』」

今回は切れ字の中でよく使われる「や」・「かな」・「けり」の三つのうち、「や」にフォーカスして説明していきたい。 何に付けるか 「や」は、個人的には切れ字の中で最も汎用性が高く、かつ効果的に使える切れ字だ。高校古典の文法書を引っ張り出してみる…

感想18『俳句がうまくなる100の発想法』

33. ひらのこぼ『俳句がうまくなる100の発想法』(草思社) 再読したい度:☆☆☆★★ 図書館で借りた本の二冊目。タイトルの通り俳句の発想法が全部で百も紹介されている。「これはすぐに使えそうだな」という発想法はメモをとりながら読み、読了してリストア…

感想17『これが名句だ!』

32. 小林恭二『これが名句だ!』(角川学芸出版) 再読したい度:☆☆☆☆★ 図書館の近いところに引っ越し、文庫本以外の本を読む機会が増えつつある。今回は秀句を作者ごとにまとめて解説しているこちらの本を紹介したい。とても勉強になった。 16人の俳人が…

俳句6(コーヒーブレイク)「要点資料」

文章で長々と書かれると読むのに時間と労力を費やさねばならぬという方もいると思って、今回はちょっとコーヒーブレイク。これまでの内容のうち、特に俳句1「五七五のリズム」、俳句2「季語」、俳句3「切れ」に関連した内容を資料にまとめたことがあった…

俳句5「季語を説明しない・季語を離す」

俳句についてはしばらく時間が空いてしまったが、今回は俳句2「季語」に関連して、「季語を説明しない」・「季語を離す」ことについて記したい。 季語を説明しない 季語の連想力は絶大で、効果的に使いさえすれば同季の季語を次々に引き出す力があることは…

海はいさ空には歌は生まれない

仕事柄、長期で航海に出ることがある。航海中は週から月の単位で陸を見ない。周りは海と空だけ。 波風一つない水面に雲が綺麗に反射して見えたり(このような静かな海の状態を「べた凪」と呼んでいる)、珍しい鳥やイルカなんかが見えたりすると一寸盛り上が…

俳句4「十七音の使い方」

今回は基本1「五七五のリズム」に関連して、もう少し具体的に十七音の使い方を考えてみたい。内容は「句またがり」、「十二音を考える」の二つだ。 句またがり 句またがりとは、五七五の定型を崩す詠み方であり、ここでは、リズムとしての区切れと、意味の…

俳句3「切れ」

今回は最後の約束「切れ」についてだ。三つの約束の中で最も掴みどころのないのがこの切れだと思う。 切れは余白や響きをつくって感動や広がりを表現する。これを上手に用いることによって、俳句に良いリズムが生まれる。また、効果的な内容の省略によって読…

俳句2「季語」

俳句の表現力を大きくする二つ目の約束ごとが「季語(季題)」である。一つの俳句には基本的に一つの季語を入れる必要がある。早速、例句をみてみよう。 咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 高浜虚子 この句の季語は「花」、春を表している。空は晴れ渡り花は…

俳句1「五七五のリズム」

俳句は「わずか十七音で作られる世界で最も小さな詩」と表現されることがある。では、世界最小といわれる俳句が、何故あらゆる情景を美しく表現できるのか。俳句の表現力を支えているのは、大きく分けて三つの約束ごとである。それは「十七音」、「季語」、…

俳句0「俳句との出会い」

半年ほど前に、友人たちとの話をきっかけに俳句に興味を持った。私はすぐに入門書を買い、覚えたての知識を鼻にかけ、数える程の句を詠んだ。 それからしばらくは、気が向いたときに付け焼き刃で言葉を羅列するだけだったが、最近、俳句への興味が再燃した。…