ライ麦畑で叫ばせて

日常・回想・妄想・数学理科・社会・思考の道草 を軸に書きます。宜しければご覧ください。

過去の共有

1か月以上前になるが,とある試験を受けた。 その科目中には一般教養も含まれていた。相当前に受けたセンター試験のような内容に加えて,高校では選択していなかった政治経済やら日本史やら生物やらも勉強した。 そのオベンキョウ中にふと考えたことについ…

べからず使ふべからず

想像しないでください ── 真っ青な空,白い雲,そしてどこまでも続く大海原を。 梅雨だというのに私の住む地域では雨があまり降らない。ただジメジメと蒸し暑い。勘弁してほしい。 雨の中をバイクで爆走した記憶が遠い。それくらい雨が降っていないというこ…

追想と捏造の狂想曲

いつの記事だったか,記憶は一番に「嗅覚」と,その次に「聴覚」と密接に関連しているという話をした。 嗅覚について思い当たることも多いが,最近は音楽に詳しい友人に鼓舞されていろいろと聴くようになって,聴覚と記憶のつながりを感じることが多い。 最…

悪夢を君とひとりで

最近,寝つきは悪いし睡眠の途中で何度も目覚めるし悪夢を見るしで,睡眠に希望がもてない。 せめて夢の世界くらい──と思うものだが,ここは発想の転換だ。特殊なストーリーの夢は記録に残しておこう。何かの役に立つかもしれない(何のだろう)。 まずは,…

ゆけゆけアマゾン調査隊

先月,極めて真面目な研究集会であるにも関わらず,「○○フェスタ2017」と銘打たれた,お洒落で素敵な集まりに参加してきた。 「我々の分野はこれからどうなってしまうのか」 「この厳しい状況をどう生き抜くべきか」 と,内容はなかなか深刻なものが多かった…

お手本はずっと昔に置いてきた

久々の投稿である。 良い報告は全く無いが,迫られていた用事はひと段落,書きたいことが初雪程度に積もっている状況だ。 今回は,以前の記事(習字セットの筆は今 - ライ麦畑で叫ばせて)に深く関連している。 先の記事を要約すると, ”あるアーティストの…

巻物ブルースはいかが

まきもの【巻(き)物】㊀書画などを表装し,軸をつけ,巻き収めるように仕立てたもの。巻き軸。(㊁,㊂と続く) ──新潮国語辞典ー現代語・古語(1995) ブルース(blues)十九世紀に米国の黒人の生んだ歌曲。非ヨーロッパ的な音階はジャズの基盤となっ…

僕は肉,君は魚

好きな食べ物ランキングトップ5が「ニワトリの肉」,「桃」,「ウシの肉」,「ブタの肉」,「揚げ出し豆腐」(2017年5月現在)である超攻撃的やわらか肉食系の私だが,先日,食堂で偶然「サバの塩焼き」を食べて,「魚ってうまいんじゃねえか」と思っ…

彼は地球防衛隊

ある蒸し暑い夜のことだった。私は暑さに悶えながらも眠りに就こうと奮闘していた。吹いているのかもわからない微風を求めて,家じゅうの窓という窓を全開にしていたが,涼しい風が私を撫でる心地よい瞬間は一向に訪れない。それでも私の眠気が優勢とみえ,…

閻魔が見てるそんな夜

2015年6月下旬,私は美しき街プラハにいた。 一週間ほどの滞在にもかかわらず私の用事は最終日だけであったので,それまでは緊張を押し殺すように,敢えて浮つき散らして,遊び散らかしていた。仕方なしに観光に狂っていた。本当である。緊張のし過ぎは…

美しさは崩れる運命にある

2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎氏は,授賞理由でもある「自発的対称性の破れ」というものを,「倒れる鉛筆」をみてひらめいたという。 私のゴミ屑ほどの知識で「自発的対称性の破れ」を説明すると,以下のようになる。 これまで多くの物…

ここにある

最近,お勉強が楽しい。 必要に迫られて,今まで真面目に学んでこなかった生物やら経済やら歴史やら,諸々の科目と向き合う日々なのだが,これが思いのほか楽しい。これまでずっと1つのことに凝り固まって視野が狭くなっていたのだろう。人間の飽くなき知的…

大人への道を歩いているか

先月のうちに書きたいと思っていた諸々のことが,新年度の開始とともに何処かにぶっ飛んでしまった。人は忘れるものだ。 私もいよいよ延ばしに延ばした人生の決断を迫られつつあり,稚拙な文章をこねくり回す時間は減る一方である。それでも折角始めたことで…

スミノジカン

男は今日も教室の隅に座る。全てはしがらみから解き放たれた1時間のために。 2時限目は古文の授業の直前,右手にパイプ椅子,左手に年季の入ったノートという馴染みの格好で,彼はするすると教室に現れた。 「あ,スミノセンセ,おはようございます」 彼を…

国境は別れの顔

ついにこのときがきた。 このタイトルを使わせていただくときが。 ルパン三世TVシリーズのタイトルが極めて格好良くて,それらに鼓舞されて何度か拙文を書いてきた。 しかし,今回は順序が逆で,表題の「国境は別れの顔(TV第2シリーズ第58話)」が内容を…

ノスタルジーの行方

所用のため滞在中のハワイはホノルルにて筆をとる。 到着初日だが,もう日本が恋しい。私の準備不足が全ての原因ではあるが,率直にいうと,やはり言語の壁は大きいなと思ってしまう。皆さん必死に理解しようと努力してくれるので,余計に悲しく,そして申し…

悲しみのまち

抜けるような空が眩しい。 早朝の陽射しが光る石畳の道沿いには,落ち着いたベージュの壁に鮮やかな赤い屋根の家々が整然と立ち並んでいた。まちには空缶も紙屑も吸殻も,ごみ箱すらも見当たらない。 まちの中央に位置する広場には,モーニングコートやドレ…

光と弾丸

皆さんは,本を読みながら,映画を見ながら,講演を聴きながら,メモをとるだろうか。 旅先の建物,景色,食べ物,全てを写真におさめるだろうか。 私は,どちらもあまり積極的にするほうではない。 それでも,「あそこで食べたアレは美味しかった」とか,「…

病は病

かねてよりスーパー健康体と自負してきた私の身体も,加齢と不摂生から何かの危険に脅かされつつあるのかもしれない,と,最近不安に思うことが増えてきた。 この前,私の参加しているあるプログラムの同期達と飲む機会があった。 その中の一人が乾杯に際し…

時間軸の交錯

時間とは,物理学における互いに独立な7つの基本単位のうちの1つである。 私の携わっている地球物理学においても例外ではなく,長さ,質量,温度と併せて最もよく使われる単位のうちの一つだ。 そしてなにより,物理学に限定しなくとも,我々は今この瞬間…

あの日と同じ風

マストになびく信号旗に憧れていた。 ずっと昔の話になる。私は海沿いの小さな町に生まれた。そろそろと細く弱々しい黒煙を上げる工場が幾つかと,そこではたらく者たちの住まい,あとは漁で生計を立てる世帯がちらほらとあるだけの町だ。 生まれ故郷の記憶…

生存の道は一つ

結婚式とは,煌びやかで絢爛で眩しく,幸せに満ち溢れたものだった。 この類のモノへの抗体をもたない私にとって,それは目を瞑ってしまうしまうほどに神々しく,いささかおぞましくさえ思えて,汗の滲む類の夢のように浮世離れしたものであった。 1年前の…

もう一度,あなたの舞を

年末年始を実家で過ごした。 二人の弟は,偶然にも私と同じ町に進学してきたから,時々こちらで会うこともあるのだけれど,両親,そして父方の祖母とはお盆に帰省したとき以来の再会だった。 家に着き,居間の戸を開けると,そこには祖母の姿があった。座椅…

ブルターニュの風は高く

2015年11月11日。 フランスはブルターニュ地方の港町,ブレストの海沿いに私は立っていた。 曇天になびく白と黒の旗と,それをじっと眺める老婆。 真実と妄想の英雄譚が,ここから始まった──。 昨年,フランスの研究機関に出張する機会があって,こ…

誰が最後に笑ったか

突然ですが,ここで問題。 ”今,あなたの前に3つの箱がある。1つの箱には「賞金100万円」,2つの箱には「たわし」が入っている。そして,あなたは最終的に選んだ箱の中身を貰うことができる。まず,あなたが1つの箱を選択する。私は残りの箱のうち「たわ…

習字セットの筆は今

彼らはトーク中に「僕らの目標は結成序盤で達成されてしまって,そこから今までは惰性でやってます」的なことを語ってくれた。 惰性で国民的アーティストになれるのだから,その才能には嫉妬せざるを得ない。 先日,ある有名バンドグループのライブに行って…

汚れを吸ったスポンジは泡が立たない

先日,約一年振りにとある小学校にお邪魔した。これはもちろん合法的に。 1-2年生,3-4年生,5-6年生と順番に一緒に遊んでもらったのだが,1-2年生はまあ腕白。3-4年生はそれに拍車がかかる。 ところが,5-6年生ともなるともう結構大人っぽかっ…

巡る巡るは海のよう

負の要素が人を駆動する力というのは甚大だ。 成功や幸福なんかのポジティブな事象より,失敗,恐怖,失望などに突き動かされることの方が(少なくとも私は)多い。 私にも,スポーツというものに打ち込み,仲間たちと更なる高みを目指して血と汗と涙を流す…